吉祥寺にある福井県出身男子学生のための学生寮

平成期の充実

以上で見たように、輔仁会・明倫学舎の存在が、郷土福井出身の優秀な若者を育成せんとする多くの人々の高邁な理想と無償の努力の賜物であり、これらの人々からの物心両面にわたる多大な支援がなければありえなかったということは、断じて忘れられてはならない。平成3年3月にも、前年に政界を引退されたばかりの福田一氏が、学舎の運営資金として1,000万円の寄付をされている。

今日の輔仁会・明倫学舎では、このようにして受け継がれてきた長い歴史と伝統、そして理念を維持しつつ、平成3年度より学生居室をすべて個室化(定員54名)するなど、時代のニーズに合わせた寮の経営を行っている。

輔仁会理事長には、平成7年より、松平永芳氏に代わって、土井利章子爵の実弟である土井信良氏が就任した。

平成14年夏には、損耗老朽化の激しい上水道管およびガス管をすべて更新。また、あわせて各階洗面所に給湯設備を設け、さらに、従来シャワーのみであった入浴室に24時間式の浴槽も設置するなど、在舎生がより快適に生活し、より学業に集中できる環境を整えた。